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コロナウイルス空気感染の可能性と正常化バイアスについて

こんにちは。Roof SAです。

今回は一月万冊で9/13に配信された動画を紹介します。

清水さんがジャーナリストの烏賀陽弘道と、コロナウイルス空気感染の可能性を知ったトランプ大統領と、有事における情報の得方についてお話しされています。

9/9 アメリカで有名なワシントンポストの記者であるウッドワードが今年2月7日のトランプへのインタビューの録音内容を公開し、コロナウイルスの空気感染の可能性についてトランプが言及していたと報道しました。

空気感染するかもしれないという重要な事実をトランプ大統領が過小評価していたことについて、1万7千文字に 渡って報道したアメリカに対し、日本は朝日新聞が9/10にたった400文字程度で取り上げた程度で全く騒がれていません。

実際、空気感染するかどうかは科学的に証明されてはいませんが、トランプ大統領が知っていたという事は、トランプ大統領の回りにいる専門家がその事実を認識した上で、彼に助言していたという見方が出来ます。

2月の段階で空気感染すると分かっていれば、当然対策も変わっていたはずです。

にも関わらず日本のメディアはその重要性にまったく気付いていません。

思い返せば9年前、東日本大震災原発事故が起きた時、パニックを恐れた当時の菅直人首相は直ちに危険性はないと嘘をつきました。

今回のトランプ大統領のように、大きなパニックを恐れての事でしょう。

しかし、現実は想定よりも大きな津波によって原発事故が起き、今でも原子力緊急事態宣言は解かれておりません。

この出来事から学習し、今回のコロナ対策に活かすのならば、メディアは大きめの予測を報道し注意喚起すべきなのですが、空気感染の可能性についてほとんど報道されていません。

この理由について烏賀陽さんは「責任者やメディアは事を大きく伝えてそれが実際に起こらなかった時の責任から逃れるために、分かっていても言おうとしない」と分析されています。

あまり大きく伝えてしまうと「パニックを煽るな」などとバッシングされる可能性があり、それを恐れているようです。

この事実に関しては、我々国民も考える必要がありそうですね。

人間は正常化バイアスがかかっており、一定を好み変化を嫌う性質があります。

やがて大津波が来ると分かっていても目で確認するまでは、「きっと来ないだろう」と思いたいが故に、恐怖を煽られそれが現実に起きなかった時、その反動で激しい怒りが込み上げます。

津波は絶対にやって来る」と思っていれば、実際に来なかった時、安堵するはずですから。

このような我々の正常化バイアスは政府やメディアに知らず知らずのうちに圧力をかけており、本来知るべき重要な情報が得られない事に繋がります。

それでも災害から身を守るためには、何が正しい情報かを自分自身で判断する必要があります。

そのためにもまず自分の選択に対する責任感や自信をつけることが重要であり、その上で常に最悪のケースを想定して動く事が出来るかどうかが鍵となります。

これはビジネスにも繋がる重要な話しですね。

ただ、日本のメディアだけを見ていては、情報量、質、早さで海外に勝つ事は出来ません。

今回の件で言うと、ウッドワードの記事ですらイギリスのガーディアンからは、「半年後に情報を公開するのでは遅い、もっと早くに空気感染の可能性が分かっていれば死者を減らせたかもしれない」と批判されています。

実際、日本メディアの体たらくが、世界との経済戦争での敗北をもたらしていると清水さんは分析されています。

今回のコロナ空気感染に関しても、朝日新聞がたった400文字程度でワシントンポストの記事をまとめたのみで、自国のコロナ対策を問題視する事もない上に、月額購読料は朝日新聞の方が高いという状況です。

日頃からこの程度の情報しか得られていない中で戦ってきたからこそ、全東証一部上場企業の時価総額GAFA +マイクロソフトのたった5社の時価総額に負けています。

戦争で例えて言えば、たった今、もしくは5分前に敵がどこにいたかを知っている人間が弾を撃ち込む事が出来るのであって、半日前、昨日どこにいたかを知った程度では当たる弾も当たりません。

ビジネスでも、どれだけ早く正確に儲かるシステムに気付けるかが重要です。

日本メディアのレベルを知り、正しいか正しくないかを自分で見極める事が、自己防衛やビジネスでの成功に繋がります。