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政府の腐敗とメディア劣化の繋がり

こんにちは。Roof SAです。

今回は一月万冊で、11/5に配信された動画を紹介します。

清水さんがジャーナリストの烏賀陽弘道さんと、ジャーナリストが一つの事案を追い続ける意味という事をテーマにお話しされています。

一日の新規感染者数が最多を更新し続けていますが、相変わらず、芸能人の「不倫」「事故」「薬物」の報道は多く「高い給料をもらっていてそんな報道をしている場合か!」と一喝したくなります。

これらの報道は、速報として流しますが、続報に至るケースはごく稀です。

芸能人のスキャンダルなど、本来は我々一般国民の生活に何一つ影響する事はないため、ニュース価値は0と言っても過言ではありません。

しかも他の報道機関が報道しているニュースを流す事も頻繁に見られますが、一体何の意味があるのでしょう?

逆に他の報道機関が報道していない事実を、独自の取材で入手し公表する事で初めて価値を生み出せるのではないでしょうか?

なぜ既存のメディアはここまで腐敗してしまったのでしょう。

その理由は、高度経済成長の終わりと密接に関係していると烏賀陽さんは言います。

成長が止まり、長い不況に突入した日本経済において、経費削減のためスポンサーは徐々に広告料を減らしていきました。

広告料を減らされたメディアは本業の取材にお金と人員をかけなくなり、商品である新聞や報道番組の質が下がりました。

以前にも書きましたが、他の報道機関も報道している、楽で反撃のなさそうなニュースばかりを報道するようになり、そこにお金と労力はそれほど必要ありません。

実際に烏賀陽さんが朝日新聞の社員だった頃、出張経費を削減するため、出来るだけ東京圏内の取材で記事を書くように言われた事もあったそうです。

人員を削減する事で一人の記者の負担が増え、専門性のない事件でも取材を命じられ、一つの事件を追い続ける事が困難になります。

それでも、広告ページ数に影響する上に、印刷会社との年間契約の都合上、ページ数を減らして質を上げるという方向性には転換出来ません。

記者はPVを上げると共にページ数を埋めるため、我々一般国民の生活とは何ら関係しない、芸能人ネタをひたすら書いているのです。

一人の記者が一つの事案に集中する事が難しい上に、総理官邸の首相番記者も一年ごとに担当が代わるため、関係を築く時間がなく、重要な情報を引き出しにくくなります。

そうなってしまえば、メディアは政治家にとって脅威ではなくなります。

何か不祥事を起こしても、政治家は逃げ切る事が出来てしまいます。

その事を理解した上で、烏賀陽さんは福島原発事故を日本の全記者の中で唯一10年近く追い続けています。

烏賀陽以外の記者は当時の状況を知らない人ばかりのため、変化に気付くことは出来ず、現在と当時の比較すら出来ません。

そうなると、「東日本大震災原子力災害伝承館」を巡って行われたステルスマーケティングに税金が投入されているなどの政府の誤魔化しに気付けなくなります。

かつてはリクルート事件による報道で竹下内閣を失墜させる力がメディアにはありました。

しかし、時代背景と共にメディアは劣化し、政治家の体たらくを追い続ける事が出来ず、ますます腐敗が進んでいます。

既存メディアが出来ないのであれば、せめて我々が主権者として政治家を常に監視し、彼らの悪行を追及し続けましょう。