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日本を滅ぼす幻影の努力

こんにちは。Roof SAです。

今回は一月万冊で11/22に配信された動画を紹介します。

清水さんが東大教授の安冨さんと、努力と徒労の違いについてお話しされています。

コロナウイルスの新規感染者数は連日最多を更新し続けています。

こんなコロナ時代を生き抜くには何が必要かをこれまでのブログで数多く書いてきました。

しかし、多くの人がまだ気付いておらず、未だにこれまでと同様の努力を続けているのではないでしょうか。

このコロナ禍においては、これまでと同様の努力では結果が出なくなる可能性があり、それらは全て徒労と化す恐れがあります。

結果が出ない努力は努力ではなく、ただの徒労です。

したがって、努力と徒労の違いを見極めなくてはなりません。

しかし、日本社会においては上の人間が徒労をしていると、それを努力と勘違いし下の人間に伝染してしまう事が多々あります。

ここで注意しなければならないのが、政府や官僚、メディア等は権力に守られていますが、その下にいる人間はそうではないという事です。

上の人間に伝染して徒労を行なっていると、そのダメージを最初に受けるのは下の人間です。

日本人は失敗を強く恐れているため、つい努力ではなく徒労に走りがちです。

努力すれば成功するかもしれない事で失敗すると、ダメージが大きくなるため、それを恐れているのです。

逆に最初から失敗と分かっている事に突き進んだ方が、気持ち的には楽だし、責任逃れも出来ますよね。

しかし、その中で一生懸命仕事をするため、それが徒労である事には気付かないでしょう。

また、新たな事に向かって努力していると「この努力は無駄なのでは?」と思う瞬間があり、大抵の場合そこで諦めてしまいがちです。

ましてや、公務員や大企業は組織の一員として、努力よりも徒労が求められる事も少なくないでしょう。

コロナ対策に関しても「5つの小」などの失敗と分かっている事に向かう徒労ではなく、一日一日の感染状況や病院との連携など、状況に応じたフィードバックを行い、様々なシーンを想定した対応を速やかに実行する努力が必要です。

しかし、一人ひとりが優秀でたとえ日頃の努力で地位を築いた人であっても、組織化すると会議などの徒労に巻き込まれてしまいます。

「5つの小」を発表するにあたって、会議をしたり、資料を作ったり破棄するなどの、完全なる徒労業務が生まれてしまい、組織の人間としてその徒労業務をこなさなければなりません。

組織運営において、ある程度の徒労は確かに必要かもしれませんが、それによって社会的、国家的価値が生み出されているかどうかが問題です。

価値が生まれる過程に徒労のような必須業務は存在しますが、結果として価値が生まれていなければ正真正銘の徒労業務となります。

自分のやっている仕事に「意味を感じない」「誰も幸せにしていない」などと感じた場合、徒労である事を疑うべきでしょう。

清水さんが復刊した安冨さんの「複雑さを生きる」どうやら梱包の評価も高いようです。

しかし、清水さんは梱包に関して指示した事はなかったそうです。

自分のやっている事が「意味のある仕事」であると認識すると、人は自然と徒労ではなく努力するようになるのだと、お二人は分析されています。

その逆に、意味の感じられない仕事に意味を見出そうと努力すると、それは結果的に徒労になる可能性があります。

自分のやっている事は努力か?徒労か?常にその点検が必要となります。

計画を立て、それに向かって仕事をすると、計画を達成させるために現実を捻じ曲げようとするため、徒労に陥りやすいでしょう。

しかし、一人ひとりが相手を思いやって行動する事で価値を生み、それら一つ一つを大切にする行為は努力となり、やがて実を結びます。

このコロナ社会を生きる上で、今やっている事が徒労か、努力かを早めに見抜く事は、他人との大きな差別化となる事でしょう。