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日銀の膨張と、MMT理論について

こんにちは。Roof SAです。

今回は一月万冊で8/20に配信された動画を紹介します。

清水さんが東大教授の安冨さんと日銀の膨張についてお話しされています。

2020年8月現在、日本銀行の総資産は約600兆円でその内、国債は約450兆円とされています。

その内、日本政府に貸している日本国債は約300兆円、アメリカなどの海外へ貸している外国債は約150兆円です。

日銀の総資産は2010年は120兆円前後でしたから、10年で5倍に膨れ上がりました。

意外と知られてないですが、日銀が保有している上場企業の株は約30兆円と国債に比べればそれほど多くありません。

国債は超簡単に説明すると核攻撃を受けないようにしたり、貿易をさせてもらえるようにするためのものですので、気になるのは日本国債300兆円の行方ですね。

日本政府の国家予算は約100兆円で、その内の32兆円は国債を発行して日銀から借りています。

そして国家予算の100兆円の内、36兆円が社会保障として支出しています。

つまり、社会保障の支出の大半を日銀からの借入に依存しています。

そうして日銀の資産は10年で、日本政府の社会保障費だけで約320兆円増えとも言えます。

社会保障には年金、医療などが含まれますが、現役世代からの徴収だけでは年間30兆円以上足りてない事になりますね。

日銀がお金を刷っても財政破綻はしないという考えがMMTであるならば、既に政府は行っている事になります。

もっとも、国民が豊かになるためではなく、年金を配る事が目的ですが。

そう言えば安倍首相はアベノミクスの柱に異次元の金融緩和を掲げていましたが、今振り返れば景気を刺激するためではなかったという事ですね。

まぁ、「新規国債の32兆円は年金ではなく、未来への投資に使います!」なんて言ったら老人の票が減って政権を維持出来なくなるため、安倍首相としては口が裂けても言えないでしょう。

とは言っても少子化が進む日本社会において、増え続ける社会保障費をさらなる国債で賄うのでしょうか?

今更ですが消費税はそもそも社会保障に充てられていないですし、数%増税したところで2〜3兆円しか増収とならないので論外です。

老人の票を捨て、未来への投資を目論む人格者が当選する日はやってくるのでしょうか?

また、MMTを論じる人はいますが、そもそもお金を刷り続けなければ成り立たない社会構造に問題があるとも思います。

ただ、どうせ刷るなら「子供一人産んだら3000万円給付、その代わり現役世代の払う年金だけでは生活が苦しい、身内の老人の面倒も見てください」というシステムはどうか?と安冨さんが面白い提案をされていました。

新規国債が32兆円ですので2019年の出生数86万で割ると一人3700万円くらいになり、そのうちの3000万を給付するという計算です。

子供一人につき3000万円もらえるなら、二人以上作って親と同居しても良いかな?と思ってしまいます。

お金を刷り続けても大丈夫という考え自体は否定しませんが、それを未来に向けて合理的に活用出来なければ、本末転倒となってしまいますね。