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安倍晋三の功罪

こんにちは。Roof SAです。

今回は一月万冊で8/29に配信された動画を解説します。

清水さんが東大教授の安冨さんと、安倍政権下で日本経済はどうなったのか。

良い点と悪い点をそれぞれ解説されています。

まず良かった点についてですが、平均年収が上がりました。

安倍政権下発足前の平成25年の平均年収は414万円でしたが、平成30年には441万円になりました。(国税庁調べ)

また、1.0倍だった有効求人倍率も1.6倍まで上昇しました。

さらに財務省のデータによると、税収もそれぞれ増えています。

消費税10.4兆円→21.7兆円、所得税14兆円→19.5兆円、法人税9.8兆円→12.1兆円増収となりました。

消費税は二度の増税があり、5%→10%へ倍増しましたが、消費税収もほぼ二倍となっているため、今のところは消費がそれほど落ち込んでいないということになります。

まぁ、年収は上がったものの、消費税も所得税も上がっているため、その分の支出は増えていますけど。

また、30%台だった法人税を23.2%まで引き下げましたが、法人税収は増えています。

その他にも失業率は4.3%→2.4%へ改善され、GDPも503兆円→557兆円へ増加しており、結果的にアベノミクスは決して失敗だったとは言い切れないのが現状です。

しかし、ここまで挙げた良い点のほとんどはコロナショックによって消え去ろうとしていますが、それは別でお話しします。

次に悪い点についてですが、異次元の財政出動の目的が年金を支えるためであるが故に、日銀の膨張を止められなくなっているところにあります。

年金を運用する機関であるGPIFが安全な資産運用から積極的運用にシフトしています。

これは少子高齢化によって、現役世代が払う年金だけでは足りなくなっているためです。

アメリカ株に約100兆円、日本株にも約40兆円も投資しており、アメリカ株や日本株の下落は、年金の消滅を意味する構造となりました。

ここで財政出動を行い、日銀が日本株を買いまくる事で、今の日経平均株価を支え、結果的に年金も支えています。

2013年まで約200兆円だった日銀の国債保有高は2020年5月時点で500兆円となりました。

これだけ財政出動して支えている年金ですが、貯蓄に回り経済活動に使われていない可能性があります。

これは、日銀がお金を刷る→政府が借用する→年金を払う→年金受給者が貯金する→銀行が運用し日銀から国債を買う→日銀にお金が戻る→日銀がお金を刷る

というループになっているだけなのかもしれません。

財政出動し、日銀を膨張させるまでは良いですが、その後肝心な消費に回っておらず、経済が停滞してしまっています。

そして、一度日銀を膨張させてしまった故に、これを止めると株価が下がり、年金が破綻します。

日銀が膨張する事自体、今のところ我々に影響はありませんが、どこでどうなるか分かりません。

財政出動し日銀を膨張させ続けなければ、年金が破綻してしまうという構造にしてしまったところが、安倍政権の経済政策における、大きなマイナスポイントではないでしょうか。