コロナで日本経済壊滅シナリオと神風復興シナリオを考える

こんにちは。Roof SAです。

今回は一月万冊で10/16に配信された動画を紹介します。

清水さんがジャーナリストの烏賀陽弘道さんと、コロナ社会におけるシナリオの考え方についてお話しされています。

11/3現在、東京都でのコロナ新規感染者数は連日100人を超えていると報道されています。

そんな中「どのような情報を仕入れどのようなシナリオを想定しておくと良いか」ということについて自分自身で考えておく必要があります。

なぜなら、今の政府のシナリオやマスコミの情報は参考するに値しないからです。

コロナ感染者数は4月の緊急事態宣言下より増え続けていますが「オリンピックは何としても開催する」と国トップが発言したり、この状況下でGo ToキャンペーンやGo To eatを推し進めたりと政府のやっていることはめちゃくちゃです。

また、菅首相とゆかりのある竹中平蔵氏が顧問を務める日本経済研究センターの予測では、オリンピックを開催する事を前提として、コロナ以前の景気水準に戻るのは2024年という驚きの経済予測を発表しています。

まず、この期に及んでオリンピック開催が前提となっている事自体正気とは思えませんし、たった4年でコロナ以前の景気水準に戻るなんて予測はいくらなんでも楽観的過ぎます。

マスコミも権力の一部となっているため、Go To キャンペーンや政府に近い組織による経済予測に対して、当然の如く批判なんてしません。

こんな現実逃避した政策、予測をする政府とそれをただ垂れ流すだけのマスコミについて行く事は自殺行為でしょう。

では、どのような情報を仕入れ、どのようなシナリオを想定すべきか。

まず始めにすべき事は、考え得る最悪のシナリオを想定する事です。

これは家事に備えて家に消火器を置いておく、地震や津波に備えて非難経路や避難先を確認しておくのと同じ事です。

日本政府が最悪のシナリオを想定出来なかったからこそ、原発事故で放射能が漏れ出し、今もなお原子力緊急事態宣言が続いています。

今回のクライシスの最悪のシナリオは感染者数が1000人、2000人と日に日に増えていく事であり、それによって国民が外出しなくなり経済が完全に止まる事です。

あるいは州立ワシントン大学が試算した、2月までに7800人死亡するというシナリオもそれに当たるでしょう。

一方、先程触れた政府のシナリオは、オリンピックを開催して4年ほどで景気回復というものであり、これは完全なる神風シナリオであり、全く当てになりません。

第二次世界大戦時、本土決戦中に台風が来て米軍が撤退するというシナリオと全く同じと言えます。

「日本は戦時中からいくつもの作戦を用意出来ていない」と山本七平さんが「私の中の日本軍」という本に書いています。

それは「やる前から不吉な事を考えるな」や「不安を煽るな」という一定数の声がある事が原因の一つです。

実際、最悪のシナリオを言えば政府の支持率は下がり、メディアは視聴者が離れ広告費が減る事になるでしょう。

そんな状況下で彼らの出す情報には、必ずそれらを防ぐためのバイアスがかかります。

そんな情報を国民が鵜呑みにしてる間に、第二次世界大戦で二度も原爆が落とされました。

1944年12月30日に名古屋に爆弾が投下され、女子学生300人が死亡してやっと非常事態に気付き、それでも政府の言う神風を信じた事で、翌1945年3月には東京が焼け野原となり、5月には沖縄が焼け野原となりました。

その後、日本が統治していた樺太、満州、朝鮮全てを失う事となりました。

日本が負けるという最悪のシナリオを事前に用意出来ていれば、もった早い段階で停戦の申し入れを行い、条件交渉が出来ていた事でしょう。

この歴史を踏まえると、一つでも多くのシナリオを想定しておく事がクライシス対応の必須事項とも言えます。

いくつもプランを用意出来ていれば、進行状況によって適切な判断をしやすくなります。

最近では、みずほ銀行が週休3〜4日を検討したり、西武鉄道がみずほ銀行から出資を受けていたり、三菱重工が早くもボーナスの減給に踏み切ったり、リクシルが1300人の早期退職者を募集しているというニュースが飛び交っています。

まだ生活が変わっていない人は今分岐点におり、行き先の選択肢をいくつか用意しておかなければ「どこへ向かっているか」や「どこへ向かうべきか」という事が分からなくなります。

最悪のシナリオを回避するためにも最悪シナリオを考えて事前に備える。

そのためにも、政府の発表やそれをただ垂れ流すだけのテレビや新聞の情報を当てにしてはいけません。

正しいと思う情報を自ら選別する事が、クライシス対応への第一歩となります。