この報道おかしい!「赤ちゃんがいると夢叶わない」
こんにちは。Roof SAです。
今回は一月万冊で11/4に配信された動画を紹介します。
清水さんが作家の今一生さんと、メディアによる印象操作と当事者意識の欠落した社会についてお話しされています。
11/3 FNNプライムオンラインにて、「赤ちゃんいると夢かなわない」 元女子大生 遺棄後も就活続ける という記事が発表されました。
記事の中で「赤ちゃんがいると夢が叶わないと思ったなどと〜」と書かれていますが、それ以外の供述についてはなぜか触れられていません。
そしてその部分だけを強調するかのように、三度も紹介しています。
実際に被疑者の女性が取り調べの中で、何度も何度もその事について供述したのでしょうか?
被疑者の動機を切り取り、強調した報道をする事で警察の逮捕や書類送検は正当化され、検察は起訴しやすくなります。
裁判官も所詮は人間ですから、世論に流される事もあるでしょう。
起訴後、有罪が確定すれば今度は検察の起訴が正当化されます。
これはメディアによる、権力側に有利な文脈だけが切り取られた、単なるリアリティーショーに過ぎません。
リアルに目を向けるべき問題は、被疑者の女性がなぜこのような行動をとってしまったのか?という点であり、社会全体で再発防止に努めなければ、必ず同じ事が起きます。
この根本的な問題からは目を背け、PVだけを稼ごうとするメディアのニュースは非常にお粗末な物です。
今回の記事を見て分かる通り、被疑者の女性を妊娠させた男であったり、妊娠の段階でメンタルケアの必要性を見落とした産婦人科の話も出てきていません。
妊娠させた男への取材経費と労力をケチり、被疑者女性一人を悪者、変人扱いすればホットな内に報道し、PVを稼げるというメディアの下劣な姿勢がよく分かります。
また東京新聞では、担当産婦人科医の「妊娠に、「やっぱり」という表情」と妊娠発覚時の被疑者女性の印象を紹介していますが、なぜその部分が論点にならないのでしょうか?
医師とはそもそも命を救う事が仕事なのではないでしょうか?
「産婦人科だから子供を産ませる事以外は仕事ではない」では済まされません。
医者同士の福祉的サービスの情報共有が出来ていなかったのではないでしょうか?
メディアは本来、このような社会構造の欠陥を問題視し、再発防止を図る事が役割なのではないでしょうか?
前安倍政権は1億総活躍社会を声高らかに宣言していましたよね?
女性が輝く社会にするとも言っていましたよね?
そして、菅首相はそれを継承すると言っていましたよね?
コロナショックでこれから就職活動をする人は非常に厳しい局面にあり、政府はそれに対して十分な公的支援を行う準備はあるのでしょうか。
例えば、妊娠した女性を雇ったら、国が数年は給料を保障したり、妊娠した就活生に一時的な補助をするなど、検討すべき事は山ほどあるはずです。
少なくとも、自助などと言ってられる状況でない事だけは明らかでしょう。
ただでさえ、少子高齢化が進んでいるにも関わらず、若者をバックアップする事より、年寄りの年金を支え、政権を維持する事しか考えていない政府と、政府統治機構の一部であるメディアが発信する情報を鵜呑みにしてはいけません。
少なくとも今回の報道の背景には、警察、検察、裁判官がいます。
背景にいる人間の思惑通りに行動してしまっては、彼らの権力がますます強くなり、我々が生き辛くなるだけです。